「オルタードスケールを覚えたけれど、アドリブでどう使えばいいのか分からない」
ジャズギターを練習していると、このような悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
オルタードスケールは、ただポジションを上下するだけでは、なかなか実際のアドリブにはつながりません。
大切なのは、
①使えるポジションを覚える
②フレーズとして練習する
③コード進行の中で使う
④着地する音まで意識する
という順番で練習することです。
この記事では、20年以上ギターを指導してきた経験をもとに、オルタードスケールを実際のジャズギターのアドリブで使う方法を解説します。
後半ではジャズスタンダード「枯葉」のコード進行を使って、実践的な練習方法も紹介します。
すでにコードトーンや基本的なジャズアドリブを練習していて、もう一段ジャズらしいソロを弾きたい方は、ぜひ試してみてください。
「ジャズギターの練習を基礎から確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。」
→ ジャズギター初心者の練習方法
オルタードスケールとは?
オルタードスケールは、ドミナント7thコード上で使われる代表的なスケールです。
特にジャズでは、
V7 → I
というドミナントモーションで頻繁に使われます。
例えば、
Dm7 → G7 → Cmaj7
というⅡ-V-Iなら、G7でGオルタードスケールを使うことができます。
オルタードにはドミナント7thコードに対する緊張感の強い音が多く含まれているため、その緊張感を次のコードへ解決させることで、ジャズらしい流れを作ることができます。
ここで重要なのは、
「オルタードを弾くこと」ではなく「オルタードからどう解決するか」
です。
これを意識するだけでも、単なるスケール練習から実際のアドリブへ一歩近づきます。
オルタードスケールとメロディックマイナーの関係
オルタードスケールを理解するときに知っておきたいのが、メロディックマイナーとの関係です。
オルタードスケールは、メロディックマイナースケールの第7モードとして考えることができます。
今回の例では、
G7に対してA♭メロディックマイナー
を使います。
つまりGオルタードを練習するときに、A♭メロディックマイナーのポジションを利用することもできます。
ただし、「A♭メロディックマイナーを上下する」だけにならないようにしましょう。
実際の演奏では、G7に対して各音がどのように響き、次のコードへどう解決するのかを理解することが重要です。
オルタードは「ポジション+フレーズ」で覚えよう
オルタードを実際のアドリブで使うためには、指板上のポジションを把握しておきましょう。
ただし、最初から指板全体を覚える必要はありません。
まずは使いやすいポジションを2つ程度選んで練習するのがおすすめです。
1つ目のポジション

このポジションを使って、まずはオルタードの音の配置を確認してみましょう。
元記事では青い音をメロディックマイナーのトニックとして考えています。
オルタードとして使用するときは、その半音下の音をルートとして考えます。
2つ目のポジション

2つのポジションを覚えておくと、実際のアドリブ中に現在弾いている場所から近いポジションを選べます。
大きくポジション移動する必要がなくなり、自然なフレーズを作りやすくなります。
ポジションだけ覚えて終わらない
ここはレッスンでも重視している部分です。
スケールを覚えると、
「オルタードが弾けるようになった」
と思ってしまいがちです。
しかし、
スケールを弾けることと、アドリブで音楽的に使えることは別です。
そこで次に、実際のフレーズとして練習してみましょう。
G7オルタードで使える王道フレーズ
今回のフレーズでは、
G7(alt) → Cmaj7
という進行を使います。

このフレーズでは、G7でオルタード特有の緊張感を作り、最後にCmaj7へ解決しています。
♯9から♯11を飛ばして下降するライン
そして解決先の5thへ着地しています。
この**「どこへ着地するか」**が非常に重要です。
オルタードの音を並べるだけではなく、
緊張 → 解決
という流れで覚えてみてください。
同じフレーズを別ポジションでも弾いてみよう
次はこちらです。

フレーズの考え方は同じですが、違うポジションで演奏しています。
同じようなアイデアを複数の場所で弾けるようになると、実際のアドリブでかなり使いやすくなります。
ソロを弾いていて、
「次のG7でオルタードを使おう」
と思ったときに、毎回特定のポジションまで移動するのは実践的ではありません。
現在弾いている場所の近くでオルタードフレーズを出せることが大切です。
まずはⅡ-V-Iで練習しよう
いきなり1曲を通して使おうとするより、
Dm7 → G7 → Cmaj7
の伴奏を流し、G7のところだけ今回のフレーズを入れてみましょう。
最初は毎回同じフレーズで構いません。
慣れてきたら、
リズムを変える → 音を少し変える → フレーズの開始位置を変える → 着地する音を変える
と発展させます。
こうすると「覚えたフレーズ」から、徐々に自分のアドリブになっていきます。
「スケールやフレーズを覚えてもアドリブにつながらない方は、こちらも参考にしてください。」
→ ギターアドリブができない原因とは?
「枯葉」でオルタードフレーズを使ってみよう
ここからは、2つ目の旧記事の内容を統合した実践編です。
ジャズスタンダード「枯葉」のコード進行に、先ほどのオルタードフレーズを当てはめてみます。
枯葉のコード進行を確認

今回の例では、F7とD7のところにオルタードフレーズを当てはめています。
最初から曲全体で自由にアドリブしようとせず、
F7とD7のときだけオルタードを使う
という練習をしてみましょう。
F7でオルタードフレーズを使う
先ほどG7で練習したフレーズの考え方をF7へ移調します。

ポイントはフレーズの形だけを覚えるのではなく、
F7で緊張感を作る
↓
B♭maj7へ解決する
というコード進行との関係を耳で確認することです。
D7でも同じ考え方が使える
次にD7です。

ここでも考え方は同じです。
D7でオルタード
↓
Gm7へ解決
という流れを感じながら弾きます。
これが理解できると、
「Gオルタードという1つのスケールを覚えた」
という状態から、
「ドミナント7thから解決するときにオルタードを使える」
という実践的な理解へ変わってきます。
枯葉のコード進行で実際に練習する
ここまでできたら、枯葉の伴奏を流して練習します。

最初は、
F7・D7だけ今回のオルタードフレーズを弾き、それ以外はコードトーンを中心に演奏する
くらいで十分です。
最初からすべてのコードで難しいことをしない方が、オルタードの効果が分かりやすくなります。
オルタードが入った瞬間に緊張感が生まれ、次のコードへ解決するとジャズらしいサウンドになります。
別ポジションでも枯葉を弾いてみよう

別ポジションでも同じ練習をします。
ここまでできたら、
譜割を変える
音列を変える
フレーズの一部分だけ使う
着地するコードトーンを変える
などの練習をしてみてください。
コピーしたフレーズをそのまま使う段階から、少しずつ自分の言葉に変えていきます。
「理論は分かるけれどアドリブで使えない」という方へ
オルタードやコードトーンを勉強しても、「実際のアドリブになると使えない」という方は少なくありません。
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オルタードを使ってもジャズっぽくならない原因
オルタードを覚えても、
「なんとなくスケールを弾いている感じがする」
という方は珍しくありません。
その場合、オルタードそのものではなく、コードトーンへの理解が不足している可能性があります。
オルタードは緊張感を作るスケールなので、
どこから緊張して、どこへ解決するのか
が重要だからです。
そのため私は、オルタードだけを単独で練習するより、
コードトーン → オルタード→解決(コードトーン)
という順番で理解することをおすすめしています。
特に、
「スケールは何種類も覚えたのに、アドリブになると使えない」
という方は、一度コードトーンを見直してみてください。
オルタードが使えるようになったら次にやること
今回のフレーズが弾けるようになったら、そこで終わりではありません。
次は、
フレーズのリズムを変える
音列を変える
別のキーへ移調する
違うスタンダード曲で使う
といった練習へ進みます。
さらに発展すると、代理コードやメロディックストラクチャーなどを使って、より自由に緊張感のあるフレーズを作れるようになります。
枯葉で練習する9thを含む代理コードアドリブ|コードトーン発想トレーニング【ジャズギター】
トライアド+9thとは?ジャズギターで使えるメロディックストラクチャー基礎解説
独学でオルタードがうまく使えない方へ
オルタードは「スケールの形を覚える」だけなら、それほど難しくありません。
難しいのは、実際のコード進行の中で音楽的なフレーズとして使うことです。
「オルタードを覚えたけれどアドリブでは出てこない」
「コードトーンまでは分かるけれど、そこから先へ進めない」
「ジャズらしいフレーズの作り方が分からない」
という方は、現在の演奏を見ながら練習方法を整理すると解決しやすくなります。
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まとめ|オルタードは「解決」までセットで練習しよう
オルタードスケールをアドリブで使えるようになるためには、スケールポジションを暗記するだけでは十分ではありません。
まずは今回紹介したように、
使いやすいポジションを覚える
↓
フレーズとして弾く
↓
Ⅱ-V-Iで使う
↓
枯葉などの曲で使う
という順番で練習してみてください。
そして一番大切なのは、オルタードの緊張感から次のコードへどう解決するかです。
ここが聞こえるようになると、オルタードは「難しいスケール」ではなく、アドリブに緊張と解決を作るための道具になってきます。
まずは今回のフレーズを1つ選び、G7→Cmaj7で弾いてみるところから始めてみてください。
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