Giant Stepsをやさしく攻略|ジャズギター向けアドリブ練習法

giant steps攻略 アドリブレッスン

「Giant Stepsを弾いてみたいけれど、コードチェンジが速すぎて追いつかない」

「コードトーンを追うだけで精いっぱいになり、音楽的なフレーズにならない」

「理論は勉強したけれど、アドリブになると何を弾けばよいか分からない」

このように感じていませんか?

ジョン・コルトレーンの「Giant Steps」は、ジャズスタンダードの中でも難曲として知られています。

コード進行が目まぐるしく変化するため、コードを1つずつ追いかけようとすると、演奏に余裕がなくなりやすい曲です。

実際、レッスンでも、

  • コードトーンを追うだけで終わってしまう
  • 音を間違えないことが最優先になる
  • フレーズが細かく途切れる
  • 速いテンポになると何も弾けない

という悩みをよく聞きます。

しかし、Giant Stepsのコード進行には規則性があります。

最初からすべてのコードを完璧に追うのではなく、まずは解決先となるコードを中心に整理することで、進行の全体像が見えやすくなります。

この記事では、Giant Stepsのコード進行の仕組みと、ジャズギターで取り組みやすくするための簡単な練習方法を解説します。

なお、今回紹介する方法は、原曲のコードを変更して演奏するという意味ではありません。

まず進行の大きな流れをつかむために、練習段階で一部のコードを省略して考える方法です。

最終的には、原曲のコード進行に戻して演奏できることを目指しましょう。

Giant Stepsが難しい理由

Giant Stepsが難しい一番の理由は、短い間隔でキーが次々と変化することです。

一般的なジャズスタンダードでは、1つのキーの中で数小節進むことも多いです。

一方、Giant Stepsでは、B、G、E♭という離れた3つのキーを中心にコード進行が展開します。

さらに、ii-V-IやV-Iが短い間隔で続くため、演奏者は次々と異なるコードやキーに対応しなければなりません。

テンポが速くなると、コードを確認している間に次のコードへ進んでしまいます。

その結果、

「今はどのコードか」

「次にどこへ解決するか」

「何のスケールを使うか」

を考えるだけで、演奏が終わってしまうことがあります。


Giant Stepsを理解する3つのポイント

まずは、Giant Stepsのコード進行を理解するうえで重要な3つのポイントを確認しましょう。

B・G・E♭の3つのキーを中心に進行する

Giant Stepsでは、主に次の3つのキーが使われます。

  • Bメジャー
  • Gメジャー
  • E♭メジャー

この3つのキーを中心に、コード進行が次々と移り変わります。

最初からコードネームをすべて暗記しようとすると大変です。

まずは、

「今はBへ向かっている」

「次はGへ解決する」

「その次はE♭へ向かう」

というように、解決先のキーを意識しましょう。

3つのキーは長3度の関係にある

B、G、E♭は、長3度ずつ移動する関係にあります。

この3つの調性を循環させる進行は、一般に「コルトレーン・チェンジ」と呼ばれます。

キーが半音や全音で移動するのではなく、長3度という大きな間隔で切り替わるため、一般的な機能和声だけで考えると難しく感じやすいです。

ただし、3つの解決先が分かれば、進行をバラバラなコードの集まりではなく、1つの規則的な流れとして見やすくなります。

ii-V-IとV-Iが繰り返される

Giant Stepsには複雑なコードが並んでいるように見えますが、基本的な動きは、

  • ii-V-I
  • V-I

の組み合わせです。

ジャズでよく使われる進行が、B、G、E♭という3つのキーで短い間隔に繰り返されています。

つまり、まったく新しいコード進行を覚えるというよりも、複数のキーにまたがるii-V-IとV-Iを素早く処理する曲だと考えることができます。


コードを全部追うだけでは音楽的になりにくい

Giant Stepsを練習するとき、多くの人がコードごとにスケールやコードトーンを切り替えようとします。

これは必要な練習ですが、それだけになると演奏が細かく区切られやすくなります。

たとえば、

  • Bmaj7ではBメジャー
  • D7ではDミクソリディアン
  • Gmaj7ではGメジャー
  • B♭7ではB♭ミクソリディアン

というように、コードごとに頭を切り替えていると、1つのフレーズとしてつながりにくくなります。

その結果、コードチェンジのノルマをこなしているような演奏になりがちです。

大切なのは、すべてのコードを同じ重さで追いかけることではありません。

どこへ解決しているのかを先に理解し、その解決先へ向かう流れを感じることです。


Giant Stepsを簡単にする練習方法

ここからは、コード進行の大きな流れをつかむための練習方法を紹介します。

ポイントは、最初からすべてのコードを追わず、まず解決先のmaj7コードを中心に考えることです。

解決先のmaj7コードを先に確認する

Giant Stepsでは、Bmaj7、Gmaj7、E♭maj7が重要な解決先になります。

まずは原曲を聴きながら、この3つのコードに解決する場所を確認しましょう。

解決先が聞こえるようになると、その前にあるドミナントコードやii-Vの役割も分かりやすくなります。

最初の段階では、

  • Bmaj7へ解決
  • Gmaj7へ解決
  • E♭maj7へ解決

という大きな流れだけを追う練習でも構いません。

途中のコードを一時的に省略する

たとえば、原曲の冒頭には、

Bmaj7 → D7 → Gmaj7 → B♭7

という流れがあります。

これを最初からすべて追うのが難しい場合は、練習用として、

Bmaj7 → B♭7

のように、一部を省略して大きな流れだけを確認します。

ここで重要なのは、これを原曲の正しいコード進行として覚えるのではないということです。

あくまで、

  • 解決先を見つける
  • 進行の規則性を感じる
  • 長いフレーズを作る
  • 演奏に余裕を持たせる

ための段階的な練習です。

省略した進行で流れがつかめたら、D7とGmaj7を戻して原曲のコード進行で練習します。

「解決→次のドミナント→解決」で捉える

進行を整理すると、

maj7へ解決
↓
次のmaj7へ向かうドミナント
↓
次のmaj7へ解決

という流れが見えやすくなります。

コードネームを1つずつ追うよりも、

「どのコードへ向かっているか」

を意識した方が、フレーズの方向性を作りやすくなります。

この考え方を使うと、演奏中にコードチェンジに翻弄されにくくなります。

Giant Stepsのアドリブで悩んでいる方へ

Giant Stepsは、理論を理解しただけでは演奏につながりにくい曲です。

コードトーンを覚えていても、

  • テンポが上がると追いつかない
  • フレーズがコードごとに途切れる
  • ii-V-Iを曲の中で使えない
  • 練習方法が分からない

という壁にぶつかりやすいです。

横山貢介ギター教室では、横浜・長津田・オンラインで、ジャズギターのアドリブを実践的にレッスンしています。

Giant Stepsのような難曲も、コード進行の整理、コードトーン、ガイドトーン、フレーズ作りの順番で段階的に練習します。

独学で何から手をつければよいか分からない方は、無料体験レッスンをご活用ください。


まずはゆっくりしたテンポで練習する

Giant Stepsは速いテンポで演奏されることが多いですが、最初から原曲のテンポに挑戦する必要はありません。

まずは、テンポ60〜80程度から始めましょう。

テンポを落としてもコードチェンジに追われる場合は、さらに遅くして構いません。

大切なのは、

  • 解決先が聞こえているか
  • コードトーンに着地できているか
  • フレーズが途切れていないか
  • リズムに余裕があるか

を確認することです。

速く弾く練習は、音楽的に弾けるようになってからでも遅くありません。

ルートだけで進行を確認する

コード進行が見えない場合は、まずルートだけを弾いてみましょう。

Giant Stepsのルート進行をギターで弾きながら、解決先のB、G、E♭を確認します。

ルートを弾くことで、指板上の移動と耳で聞こえる調性の変化を結びつけやすくなります。

この練習を飛ばして、いきなりスケールを弾こうとすると、コード進行が曖昧なまま指だけを動かすことになりやすいです。

3度と7度のガイドトーンを練習する

ルートの次は、3度と7度を中心に練習します。

3度と7度は、コードの性格を決める重要な音です。

maj7、m7、7thの違いも、3度と7度を見ると理解しやすくなります。

まずは各コードの3度か7度を1音ずつ弾き、次のコードへ最短距離でつなげてみましょう。

この練習をすると、コードが変わるたびにポジションを大きく移動する必要がなくなります。

また、コードチェンジが音として聞こえやすくなります。

1小節に1つの短いフレーズを作る

Giant Stepsで長いフレーズを作ろうとすると難しい場合は、最初は1小節単位で考えましょう。

たとえば、

  • 解決音から始める
  • 3音だけでフレーズを作る
  • 同じリズムを別のキーへ移す
  • 最後の音を次のコードトーンへつなげる

という練習がおすすめです。

音数を減らすことで、コードチェンジだけでなくリズムやフレーズの流れにも意識を向けられます。


同じモチーフを3つのキーへ移動する

Giant Stepsの規則性を活かした練習として、短いモチーフをB、G、E♭の3つのキーで弾く方法があります。

たとえば、Bmaj7で作った2〜4音程度の短いフレーズを、Gmaj7、E♭maj7へ移動します。

これにより、毎回まったく違うフレーズを考えなくても、1つのアイデアを進行に合わせて展開できます。

この考え方は、Giant Stepsに限らず、転調の多い曲にも役立ちます。


コードごとではなく解決先へ向かって弾く

原曲のコード進行に戻したら、コードごとにフレーズを切らないように意識しましょう。

たとえば、D7で弾き始めたフレーズをGmaj7へ解決させるように考えます。

また、B♭7からE♭maj7へ向かうフレーズを1つのまとまりとして捉えます。

このように、ドミナントコードと解決先をセットにすると、演奏が流れやすくなります。


スケールよりコードトーンを優先する

ジャズギター基礎|7thコード4種類のコードトーン完全整理

Giant Stepsでは、コードごとに対応するスケールを覚えることも大切です。

ただし、速いテンポで複数のスケールを細かく切り替えるのは簡単ではありません。

まずは、

  • ルート
  • 3度
  • 5度
  • 7度

のコードトーンを中心に練習しましょう。

特に解決先のmaj7コードでは、3度や7度に着地するとコード感を出しやすくなります。

コードトーンが安定してから、経過音やアプローチノートを加えていくと、フレーズを作りやすくなります。

スケール練習だけでアドリブが上達しない理由

Giant Stepsを弾くために、スケールをひたすら上下する練習をしている方もいるかもしれません。

しかし、スケールを順番に弾けることと、コード進行に沿ったアドリブができることは別のスキルです。

Giant Stepsでは特に、

  • 解決先を意識する
  • コードトーンへ着地する
  • リズムを作る
  • フレーズをつなげる

という練習が重要です。

スケール練習をしているのにアドリブで使えないと感じる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。


簡略化した進行から原曲へ戻す手順

今回の練習方法は、簡略化したまま終わらせないことが大切です。

次の順番で進めてみましょう。

ステップ1

Bmaj7、Gmaj7、E♭maj7の解決先だけを確認する。

ステップ2

解決先と、その直前のドミナントコードをセットで練習する。

ステップ3

ii-V-Iのiiコードを戻す。

ステップ4

原曲のコード進行をゆっくり演奏する。

ステップ5

同じフレーズを少しずつ速いテンポへ対応させる。

この順番で練習すると、最初からすべてのコードを追うよりも、進行の仕組みを理解しやすくなります。

すでにGiant Stepsを弾ける人にも効果的

今回の考え方は、Giant Stepsがまったく弾けない人だけのものではありません。

すでにコードチェンジへ対応できる方にも効果があります。

コードごとに細かくアプローチする演奏と、解決先を大きく捉える演奏を使い分けることで、フレーズに対比を作れるからです。

たとえば、

  • 細かいコードチェンジを表現する
  • 長いフレーズで進行をまたぐ
  • 同じモチーフを3つのキーで展開する
  • 解決先で大きく着地する

といった演奏を組み合わせられます。

コードを正確に追うことと、大きな流れで歌うことの両方ができると、アドリブの表現力が広がります。

Giant Stepsを実践的に学びたい方へ

「コード進行の仕組みは分かったけれど、ギターでどこを弾けばよいか分からない」

「ゆっくりなら弾けるけれど、テンポを上げると止まってしまう」

「コードトーンを覚えても、フレーズにならない」

このような悩みは、Giant Stepsに取り組む多くのギタリストが経験します。

横山貢介ギター教室では、Giant Stepsを含むジャズスタンダードを使いながら、

  • コード進行の分析
  • コードトーン
  • ガイドトーン
  • ii-V-Iフレーズ
  • モチーフ展開
  • テンポを上げる練習
  • セッションでの実践方法

を、一人ひとりのレベルに合わせてレッスンしています。

横浜・長津田・オンラインでジャズギターのアドリブを学びたい方は、無料体験レッスンをご利用ください。

まとめ|Giant Stepsは解決先から整理しよう

Giant Stepsは難曲ですが、コード進行には規則性があります。

重要なポイントは、

  • B、G、E♭の3つのキーを中心に進行する
  • 3つのキーが長3度の関係にある
  • ii-V-IとV-Iが繰り返される
  • 解決先のmaj7コードを先に把握する
  • 練習段階では一部のコードを省略して流れを確認する
  • 最終的には原曲のコード進行へ戻す

ということです。

最初からテンポ200以上で、すべてのコードを細かく追う必要はありません。

まずはテンポを落とし、解決先、ルート、ガイドトーン、短いフレーズの順番で練習してみてください。

コードチェンジに追われる感覚が減ってくると、Giant Stepsでも少しずつ歌うようなフレーズを作れるようになります。

「難しそうだから」と避けていた方も、まずはゆっくりしたテンポと簡略化した練習から挑戦してみましょう。

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